ディスイズジャストカオス

メンヘラに好かれてしまう男ってどんな人なんだろうって思ってグーグルで調べてた。きのう知り合いのライブでみたバンドマンはメンヘラに好かれる男っていう言うよりか、メンヘラそのものって感じがした。バンドマンっていってもいっぱい種類がいたんだけど、なかでも1バンドすごいのがいて、みんなマッシュのキノコパラダイスでステージ前にはJK(コスプレではない!ほんもの!)からバンギャ風のおねえさんたちまで「おまえら顔ファンだろ〜」って言いたくなるようなファンがたくさん。一緒にみてたともだちが放った一言のせいで、あのボーカルはこのライブハウスにいる何人の女の子を食ったことがあるか?という命題に思考回路を根こそぎ持ってかれたあたしはボーッと まるでアイドルかのようにファンサービスを振りまくボーカルのそのキラキラ輝くゴールデンマッシュルームを眺めていた。曲も演奏もすごくよかった。でも乗ったら前列でキャーキャー言ってる、あのサブカル女子の一種(別称をバンドマンと付き合いたいと思ってる女子たちという)と同じになってしまうと思ってただひたすら乱れるマッシュを眺めてた。あたしはいたって冷静だった。あたしが飲んだモモジンジャーはまるでアルコールの味なんかしなくて、カラオケのフリードリンクで飲んだピーチスカッシュを彷彿とさせる。

 

ライブも後半戦に差し掛かって、あたしの好きなひとが遅れて到着して、ビールを飲んでた。なんか上機嫌で、この前の最悪だった飲み会を思い出してあたしは悲しくなる。1バンド終わって、ついにトリのバンド。前に詰める客の動きに倣ってあたしたちもステージに近寄る。成り行きか意図的かわからないけど、さっきまで後ろにいた彼が右に並んだ。あたしは馬鹿だから、それだけでちょっと決意が揺らいでしまった。彼の口からあたしの名前が発せられて、この混沌に似つかわしくない他愛も無い話を交わす。あたしの右側が熱くなる。ずっと前に飲んだアルコールのせいかな。そんなわけない。しばらくして響き出したバスドラの音に身体を揺らしてボーカルの煽りに乗って手を挙げて、あたしはいつの間にか混沌の一部と化していた。ステージを見るために近付く彼の顔を、ステージを見るフリして盗み見した。目測15センチ。気付かれてるかなあ、多分とっくに。たまに触れる腕と肩が熱かった。フルーチェみたいな固さの意思はドロドロに溶けて、またスイッチが入る音がした。ああ、もう、そういうところが駄目なんだって、何回も自分を戒めたのに。

 

あたしは、冗談と言えどもプロポーズまでされて、その人との関係を前向きに考え始めたのに。叶うわけない想いにまだ縋り付こうとしてる。思う、いつか違うひとと付き合って好きだなあって思っても、またどこかで簡単にスイッチがオンになってしまうんだろうな。あたしは自分で思ってた以上に最低で浅ましいのだった。

 

あたしのこんな心、ライブハウスの混沌にそのまま混ざってしまえばよかったのに、ねえ。